▲スマホの画面もデザインのひとつPCやスマートフォンの画面構成も、来之伸くんにとっては面白いデザイ青森での個展の様子▲2023年に青森市内のギャラリーで初の個展を開催。約1万点の中から、厳選した作品を壁一面に並べた漢字や外国語の研究▲漢字の持つデザイン性に興味津々で、国による比較までまとめた。小6レベルの漢検5級には2年生で合格ンとして、その配置や視認性の高さなどが研究対象となっているさっています。来之伸が少し人と話すのが苦手だと知って、特別に「聞き手」を設けてくれたり、本人が好きな音楽やアートをテーマにした発表の機会を与えてくださったり、細やかな支援をしてくださっています。クラスメイトも優ちに全部読み書きできるようになったのです。漢字のデザイン性に注目して、それがきっかけで中国語も覚え、スペイン語を習得した時期もありました。TV局のロゴに興味を持ったときもありましたし、今は歴史上の人物、武将にハマっているところ。頼朝や、信長などがお好みです。学校の自由研究でも、紙にまとめるのが得意みたいですね。―最初にそのような芸術的才能を発揮するようになって、ご両親としてはどう感じましたか?史子さん すごい!とか、大丈夫かな?という感じよりも、「面白い!」という感覚がありました。「そんなことに興味を示すんだ、面白いね」って思える精神的な余裕はあったと思います。当時は才能とかあまり意識してなかったですね。広樹さん 私も幼少期は軽いADHD(注意欠如・多動症)だったので、親からも「みっともないからやめなさい」と、厳しくしつけられた印象があります。それが自分の中で、何となく引っかかったまま、ずっと生きてきたのですが、自分の子どもには厳しく制限したくないという思いがありました。本人がやりたいんだったら好きなことをやらせたいし、興味があるんだったらなるべくサポートしたい。TVや映画を見るとき、字幕をオンにしています。先生の授業にライブで字幕が付けられるなら、それがいいですよね。―今のAI技術の発達具合を考えれば、わりとすぐにでも実現できそうですね。ところで、ご両親も一緒にライブを見に行ったり、音楽制作に一緒に取り組もうとチャレンジしたり、一緒にやろうという意識をしっかりお持ちですよね。さらに、周りの大人やお友達も協力的な方が多いとか?史子さん 本当に多くの方々に支えられていると感じます。周囲の理解と協力がなければ、来之伸の活動も今のようには広がらなかったと思います。例えば、先生方は、来之伸が好きなことに没頭できるよう、自由研究や発表の場で個性を発揮できるよう配慮してくだ親として、子どもには好きにやらせてあげたい学校の先生や友人、地域の方のサポート体制ラム症)も診断されていて、片目が弱視となると、学校で不自由を感じることことがあるから、字幕があればいいと広樹さん 言語の習得能力は高いと思うに理解するという能力が欠如しているようなんです。授業とか聞こえてるのっていうレベルで。史子さん 聴覚情報処理障害(APD)って言うのですが、それが認知の部分の障害になるそうで、最近それにあてはまる子には全然平気だし、むしろ細かい音までの意味がすぐに理解できない。一方文字を目で見て理解するのは早いので、字幕があるといいですよね。息子はいつも―来之伸くんはASD(自閉スペクトはありますか? 来之伸くん 先生のお話が聞き取れない思います。のですが、耳から入ってくる言葉をすぐがいると感じました。これは音楽を聞く聞き取れるんですが、声の音になるとそ
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